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2015年5月24日 (日)

『職業は武装解除』

Syokugyouhabusoukaijo
『職業は武装解除』 瀬谷ルミ子 朝日新聞社2011 ☆☆☆☆

 この日本人女性もすごいです。自分は何も出来いない人間だから、他の人がやらないことをやろうという発想で生きてきた感じです。謙遜していますが、世界の中で「武装解除」を指導できる数少ないコーディネーターになっておられる様です。活躍された地域は、ルワンダ、シエラレオネ、アフガニスタン、コートジボワール、旧ユーゴ、ケニア、南スーダンやソマリア等と多岐にわたります。

 先日読んだ、「本当の戦争の話しをしよう」の著者と同じ時期に同じアフガニスタンで立場は少し違うけれども武装解除をしています。その難しさ(武装解除時に過去の罪は問わすに職業訓練や手当を与えるため、結果として被害者よりも加害者を優遇してしまう矛盾点)に疑問を感じ、それを克服するために今は現時点で彼女が最もやりやすいNPO法人日本紛争予防センターの事務局長となり活躍しています。

 国連PKO職員、外務省二等書記官として働いていた時期もありますが、彼女の特殊能力が必要とされたためにその仕事に就いたようです。

 彼女は一貫して、援助はその地の人たち自身が自立するためのもので、お金や物を安易には与えないという姿勢は全くぶれません。この点は日本中の人が、「援助」を考える際の最も押さえておかなければならない点ではないでしょうか。

 また、紛争解決の段階を4つに分けるのも彼女独自の発想だと思います。ステップ1が治安の改善(武装解除)、ステップ2が最低限の生活保障、ステップ3が経済的・社会的自立、ステップ4が民族間の和解です。大変ためになりました。

 ソマリアについても、首都のある南部ソマリアと民主的な北部ソマリランド、海賊の多い中部プントランドに分かれていることもしっかり書かれています。その南部ソマリアでも(だからこそ)NGOの活動を軌道に乗せようとするチャレンジ精神と公平性への配慮は、なかなか凄いものです。

 彼女は、自覚はしていないかもしれませんが、世界から認められ、世界で必要とされる数少ない日本人女性になっていると思います。

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