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2015年2月 5日 (木)

『アヘン王国潜入記』

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『アヘン王国潜入記』 高野秀行 著 集英社文庫2007☆☆☆☆☆

 いやー、凄いです。1995年にビルマ北西部、少数民族シャン州の中にあるさらに少数民族のワ州。実は当時(今も?)ミャンマー政権の統治が及ばない事実上の独立国です。そこに中国国境から潜入(ワ州的には合法?)し、7か月にわたり一つの村に入ってケシの種まきからアヘンの収穫までを実体験し、軽くアヘン中毒にまでなってしまった著者の体験記です。

 これだけの本が何も賞をとっていないのは不思議ですが、アヘン中毒になってしまった部分があるためかもしれません。読んでいる私も著者に対し、「マリファナならともかく、アヘンだよ。もうやめなって」と忠告しながら読んでいました。こんな潜入記を書けるのは、世界中で高野さんだけだったのではないでしぃうか。しかも、1995年のあのタイミングでないと、政情が変わって入国すらできなくなった様です。後にミヤンマーの軍事政権もワ州を知るための参考文献的にこの本を分析していたようです。

 高野さんはジャーナリストとは違うと自分でも言っていますが、その視点は、限りなく一般農民の生活まで降りています。ですから、、読んでいると農村の日常の様々な営みが行われています。ただし、生産物はそれ自体が現金と同じように流通するアヘンなのです。

 村の人は中国人とワ人とビルマ人くらいしか知らず、「日本人」を説明できないというのも残された辺境を証明している気がします。

 ねずみが出て来て「ずいずいずっころばし」の歌の意味がわかったという部分に変に納得してしまいました。

 とにかく、面白い。「伝説のルポルタージュ」だそうです。

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