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2014年10月20日 (月)

『わたしはマララ』

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『わたしはマララ』 マララ・ユスフザイ+クリスティーナ・ラム 著 学研2013☆☆☆☆☆

 ノーベル賞を受賞したから読んだわけでは無いのですが、あまり目立たずに図書館にあったので借りてしまいました。

 想像以上の面白さでした。16才の少女が10才頃の記憶も含めてここまで書けるものなのでしょうか。パキスタンに詳しいジャーナリストでオックスホードやハーバードを卒業したラムさんが共著になっています。どこまでがマララ自身の言葉であるのかの判断はできませんが、彼女がほぼこの内容を素直に考え、記憶し、理解しているだろうことは、文章を読んでいると確信が持ててきます。

 パキスタンやアフガニスタンの政治情勢も詳しすぎるくらい詳解されています。知識量も去ることながら、「女性にも教育を!世界の子供に教育と平和を!」という彼女のぶれない精神にも感銘を受けます。彼女自身も書いていますが、ジンナーやガンジー、マンデラ、キング、マリアテレサらに通じるものが秘められている気がします。

 私はパキスタンのペシャワールには1週間ほど滞在したことがあり、スワートには行ったことがありませんが、隣のギルギットやフンザには行ったことがあります。従って、ある程度風景などはイメージしながら読むことができました。私の今までの経験の中で、世界で最も誇り高いのはアフガニスタンからパキスタンにかけて住むパシュトゥーン人ではないかという思いがあります。マララもパシュトゥーン人だったのですね。

 この本によって、パキスタンの政治情勢やタリバンの手法や実体が大変よく分かります。マララの物語としてではなく、パキスタンやパシュトゥーン人、タリバン知るための本としても内容の大変濃い本になっています。
 

 マララの父も偉大な人物です。パシュトゥーン人社会の中で、女子にも平等に教育を行い続けることは本当に平坦な道では無かったでしょう。また、マララの小さいときのカラー写真も掲載されていますので、パキスタンの中では高い地位にいて、しかもその収入のほとんどを学校に注ぎ込んでいた方なのではないかと思われます。

 マララがノーベル平和賞を受賞する結果となることに、この書籍は大きく貢献したのではないかと思います。ノーベル文学賞ではないけれど、マララを知ろうとしてこの本を読んだ人は、強く平和賞へ推薦する気持ちになったのではないでしょうか。

 もちろん、受賞にはアメリカをはじめとした様々な国家や権力の思惑もあるとは思います。しかし、マララは最後の方に書いています。(平和賞を受ける前です)

 「学校の成績がよくて表彰されるときは、とてもうれしかった。がんばった結果もらえたものだから。でも各国からもらう賞は違う。ありがたいとは思うけど、賞をもらって思うことはただひとつ--まだまだがんばっていかないと、すべての男の子と女の子が教育を受けられるという目標は達成できないということだ。私は”タリバンに撃たれた少女”だとは思われたくない。”教育のために戦った少女”だと思われたい。そのために、わたしは人生を捧げるつもりだ。」

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