« 『いのちの食べかた』 | トップページ | NISEKO MONTE BAR,タカラのチーズ »

2014年1月 6日 (月)

『プラハのシュタイナー―学校』

41dl4jgxwll__sl500_aa300_

『プラハのシュタイナー学校』 増田幸弘 著 白水社2010年 ☆☆☆☆

 不思議な本でした。日本の学校でしっくりいかなくなった二人の子供(中1の男の子と小5の女の子)のために、一家でプラハに移住してしまいます。プラハには一度行ったことがあり知人は少しいるものの、父母ともに日本人で、チェコ語は全く話せないにもかかわらずです。

 学校もはじめからシュタイナー学校に入れると決まっていたわけではないのですが、結果的に、歴史の浅いチェコの公立のシュタイナー学校に転校し、その後4年間あまりの子供たちとの記録です。

 シュタイナー教育とは、教科書を使わなかったり、オイリュトミーという体操みたいなのがあることなど何となく知っていましたが、プラハの学校にはいろいろな先生がいて、シュタイナー教育にも教師の数だけ教育方法はあるようです。

 何だか本を書くために2人の子供を実験台にしたような印象も持ちましたが、父母ともに熱心に学校の父母会やバザーなどに関わるなど、家族全員で悪戦苦闘した様子は心を動かされます。

 下の女の子は5年生から転校しますが、ちょうど私自身がモスクワでソ連の普通学校に入学した時期と重なり、言葉の苦労(チェコ語もロシア語も同じスラブ系)や日本との教育方法の違い(シュタイナー教育以前にチェコの教育自体が違う部分も多くあると思います)、クラスメートの日本への秘かな憧憬など、本当に昔の自分を思い出すようでした。

 経験が重なるという意味では、私にとっては特別な本でしたが、一般の人にとってはシュタイナー教育を理解するのに専門書ではない立場でわかりやすく書かれていると思います。

 著者は私と同じ年に生まれています。同年代として、自分の子供たちにこのような経験を思い切ってさせたことに敬意を持つと同時に、そういう努力をしなかった自分自身に少し自己嫌悪も感じました。

|

« 『いのちの食べかた』 | トップページ | NISEKO MONTE BAR,タカラのチーズ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

拙著を読んでくださり、またご感想をブログに書いてくださり、どうもありがとうございました。

投稿: ますだゆきひろ | 2014年1月 8日 (水) 15時57分

ますだゆきひろさんへ→
 コメントありがとうございます。このブログは自分の読書メモのようなつもりで書いていましたので、著者ご本人様からコメントを頂けるとは大変驚きました。嬉しいけれど、恐縮してしまいます。
 それにしても思い切った子育てをなさいましたね。敬服致します。

投稿: kiyatchi | 2014年1月 8日 (水) 20時11分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1179562/54516695

この記事へのトラックバック一覧です: 『プラハのシュタイナー―学校』:

« 『いのちの食べかた』 | トップページ | NISEKO MONTE BAR,タカラのチーズ »