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2012年11月21日 (水)

『消費社会と現代人の生活』

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『消費社会と現代人の生活-分析ツールとしてのボードリヤール-』 矢部謙太郎 著
学文社(早稲田社会学ブックレット)
 必要に迫られて読みましたが、この本でフランスの思想家・経済学者ボードリヤールの主張が少し解った気がします。「使用価値の消費」に対して「記号価値の消費」、記号価値を生み出す組み合わせである「パノプリ」、パノプリの基本形となる「モデル」とその組み合わせである「コード」、さらにはコードの二項対立により疑似現実を作り出す「シミュレーション」とそれを連鎖させた幻影としての「シミュラークル」。ボードリヤールの使用する難解な言葉を、大変わかりやすく解説してくれている本です。
 しかし、私はそもそも記号価値に重きを置かず、使用価値に重きを置いて生活しているつもりなので、ここに想定された消費者とはあまりならないで済む気がします。自転車でいえば、機能で選ぶか、ブランドで選ぶかということになるんだと思います。記号価値の消費に重きをおけば、たとえば「カーボン」「なのにロスが少ない」という二項対立の疑似現実の中で、だから自分は速く走れる筈だという幻影を追いかけ、しかしそれが疑似現実であるという不安を抱えている為に新たな記号(たとえば「ナノカーボン」とか)を消費することで疑似現実を生き続けるということになるのだと思います。本当は、記号を求めるよりも自分の肉体をトレーニングして速くなればいいのに、現代の消費者は「自発的な行動による積極的な現実との関わり」(たとえば自分でトレーニングすること)を避け、「安楽で受動的な日常生活」(たとえば新たな機能の自転車を買うこと)を送りたがるものだとボードリヤールは言っています。ある面、当たっているけれど、そこまで消費者はバカでないのではとも思ってしまいます。
 このところ本ばかり読んでいますが、実は暇なのではなく、むしろ忙しいです。帰宅は20時~22時くらいになっています。逆に何かに追われる様に読んでいる感じです。今朝は雪の中を6kmほど走りました。きちんと降ってくれれば走れます。びちゃびちゃな冷たい雨だけは勘弁です。
 

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