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2012年11月25日 (日)

『エストニア紀行: ――森の苔・庭の木漏れ日・海の葦』

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『エストニア紀行: ――森の苔・庭の木漏れ日・海の葦』 梨木香歩 著 新潮社

 美しい本でした。自然と人々の描写が。エストニアの首都タリンから1週間ほどで時計回りにほぼエストニアを一周する旅の記録です。最初タリンに入った時は、小さな街の印象なのですが、バルト海の小島などを旅するうちに、最後に帰ったタリンは大都会の印象に変わってきます。
 私はソビエト時代にタリンを訪れた事があり、社会主義の時代にあっても旧市街が中世の面影を残していてあまりにかわいらしく、店の看板を見ながらの散策が楽しくて仕方がなかった事を思い出します。そして、「魔女の宅急便」などを見た時に、街のイメージがタリンに似ているなとも思っていました。
 この本で一番感動したのは、キヌヒ島で民族舞踊をしにマウンテンバイクで来た81歳のおばあさん。「自給自足はできても、お金持ちにはなれない」とつぶやいたそうですが、それを著者は「お金持ちにはなれないけど、自給自足はできる」と受け止めたところ。
 著者が野鳥やキノコなど自然についての知識が豊富なのにも感心しました。そして、今ヨーロッパで最も野生生物が繁殖した場所があることを知りました。ヨーロッパバイソンが群れ、ヘラジカが歩き、イヌワシがトビの様に舞うところとは、チェルノブイリ放射能汚染地帯(ヒトは立ち入り禁止区域)だそうです。著者は「ヒトが生活する、ただそれだけで、多くの種が絶滅に追いやられている。放射能汚染よりはるかにシビアに。」と書いていました。
 

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