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2012年10月 2日 (火)

『山をはしる 1200日間山伏の旅』

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 『山をはしる 1200日間山伏の旅』 井賀 孝著 亜樹書房

 今日一気に4時間ほどで読みました。300ページ以上あるのですが、面白かったです。

 自分で夜に羊蹄山になど行かなければ、一冊本が読めてしまうのですが、この本を読んだためにまた山に行きたくなったりもするのでした。

 著者の井賀さんは写真家です。高校時代はボクシング、27歳からはアメリカやブラジルで格闘技をしながら写真。そして40歳の誕生日を大峯奥駈修行の途上で迎えます。

 本の半分は、吉野から熊野まで8泊9日で山伏の出で立ちで歩く大峯奥駈修行登山について書かれています。地下足袋、袴、数珠に金剛杖。30人ほどで時折般若心経を唱えたり滝に打たれたりと、現代の登山やトレランなどとは随分違いますが、今日でもこのような修行が行われていることにまず驚きます。そして日本の山岳信仰の素晴らしさを感じます。この修行は1300年前に役行者(えんのぎょうじゃ)が開いたものだとか。

 この部分だけで一冊の本とする価値が充分にあると思うのですが、その後、新潟県八海山の行者登山、羅臼岳登山、冬富士登山と立て続けに話は展開します。そのいずれも、たとえ装備は近代登山でも、どこかに信仰があり、何かこころ洗われるものがあります。

 中でも八海山に出てくる現在の山伏月岡さんの逸話登山は圧巻。まるで現代の天狗。もしもトレランランナーとして大会に出ても、地下足袋なのにトップクラスになるのでは。でもそんな比較が無意味な事だと悟らせてくれる力がこの本にはあります。修験道(しゅげんどう)ってすごい。

 私はipadで地形図を見ながら読み、吉野~熊野、あるいは八海山にも行ってみたくなりましたが、山を汚すような方法では行ってはいけないのかもしれないと思うようにもなりました。特に大峯奥駈修行には、可能なものならば参加してみたいとちょっとだけ思いました。

 山をはしるというタイトルですが、山岳信仰、日本文化についての実証書であるとも言えます。

 そして、今後はどんな山であっても、もっと畏れをもって登りたいと思いました。

 

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