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2012年10月24日 (水)

『ユーラシア漂泊』

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 『ユーラシア漂泊』 小野寺誠 著  青灯社
 68歳のバックパッカー。五ヶ月かけて、日本から中国、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、イラン、アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア、トルコ、ブルガリア、ルーマニア、ボスニア、クロアチア、スロベニア、オーストリア、スロバキア、ポーランド、リトアニア、ラトビア、エストニアと安旅行をしてかつて15年以上住んでいた孫のいるフィンランドへ。
 そこで、離婚したフィンランド人妻、息子、孫、義理の母や多くの知人と会い、そこに訪ねてきた今日本でつき合っている女性とも会う。
 そこから、モスクワへ行き、15年以上会っていないロシア人の妻と一瞬の再会を果たし、シベリア鉄道で帰って来るという旅行記です。
 始めは、大腸ガンにもなり、前立腺肥大や心筋梗塞などの危険をはらみながらも、頑張って年老いてもバックパッカースタイルにこだわる旅行記かと思いましたが、結局は3人の女性と結婚状態にあった彼の人生の再会を求める旅でした。
 しかし、特に中央アジアの安宿やそこに集う日本人旅行者の記述は大変面白い。私も安旅行癖から抜け出せない旅行者から見れば高給取りですが、最近アジアやトルコなど日本人旅行者にとってメジャーな国での安宿では、若い旅行者が肩に力が入って幼く見えて話をする気にもならないことが多いのです。中央アジアあたりにいる旅行者は流石に一癖もふた癖もある人が多い様です。著者の小野寺さん自身が、かなり高速で安旅行をしているけれども、バランスの取れた旅行者だと思います。さすがは1960年代からのバックパッカー。
 私がこの本を手に取った最大の関心事は、トルクメニスタンにありました。記述自体は数ページしかありませんでしたが、トルクメニスタンの旅行記はほとんど目にした事がありませんでしたので。実は、今、密かに行きたい国がトルクメニスタンです。中央アジアの北朝鮮とも言われる国。それだけに、日本からの旅行者は多分相当少ないと思われます。そういう国自体がもう世界には数少ない。
 ソビエト時代にウズベク共和国(サマルカンド、ブハラ)とタジク共和国(ドゥシャンベ)には行ったことがありますが、社会主義下でも人々は素朴で親切でした。トルクメニスタンに行きたい理由の一つは行ったことがないということもありますが、シルダリア川を見たいからです。アラル海を枯渇させた灌漑の川。でも、そこに集う人はきっとめちゃくちゃ素朴なのではないでしょうか。もう一つの理由はロシア語とトルコ語が通じるだろうということです。ロシアは植民地を持っていないからロシア語は使いようがないと思っていましたが、中央アジアでは健在の様です。トルクメニスタンを自転車で突っ切ってカスピ海まで行くなんて、何も考えていないイメージだけの思いつきですが、どんなものでしょう?

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