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2012年2月29日 (水)

『原発ジプシー』

 1979年に出版された本の増補改訂版。堀江邦夫著、現代書館。

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 私がまだ学生の頃に、著者の堀江さんは美浜、そしてあの福島第1、敦賀の各原発を、原発労働者になり詳細に潜入ルポしていました。

 原子力発電所が定期検査に入ると、多くの労働者が集められ、人海戦術で検査や清掃が行われている実体がよく解ります。

 労働は、放射線管理区域内と区域外があるのですが、区域外の方が時間が長く窮屈な体制でチリと埃まみれで行う大変な作業が多い様です。労働者は、たとえ被爆をしても、一定線量を超えると労働が出来なくなる(結果的に短時間軽労働になりやすい)管理区域内の仕事を好みがちになることもわかりました。

 しかし、マスクや防護服を身につけての作業はやはり大変な様で、放射線量の少し低い所ではマスクを外して作業する場合が多い実体も書かれています。

 30年前と現代では少しは変わっているところもあるのでしょうが、原発というものが、下請け労働者の被爆を前提にしないと成り立たないという事実は変わらないのでしょう。

 本の帯に「人命を危険にさらさなければ維持できない「先端技術」。これ以上「野蛮な技術」があるだろうか」と斎藤美奈子氏が書いていますが、全く同感です。原発は全てただちに廃炉にすべきだと思います。

 そして、今まさにフクシマでより困難な作業にあたられている作業員(決して電力会社の正社員ではなく)が、日の目を見ずに多数いる筈であることに気付きます。「お前私が替わってやるか」と言われれば、絶対に拒否してしまいますが、この本を読んで少しだけ労働実態に対する想像力が働く様になった気がします。

 

 

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コメント

>「人命を危険にさらさなければ維持できない「先端技術」。これ以上「野蛮な技術」があるだろうか」

本当ですね。リンクしました。

投稿: Mura@zzzz | 2012年2月29日 (水) 21時08分

Mura@zzzzさんへ→
 原子力発電所を天然ガス発電所に作り替える(素人考えかもしれませんがタービンなどは流用出来る様なので)という作業ならば、年をとった人間が多少被爆しても少しは未来が見えてくる気もします。しかし、原子力マフィア?が儲かるために、労働者や環境を痛めつけ続けるのは許し難いです。

投稿: kiyatchi | 2012年2月29日 (水) 23時12分

中学生・藤波心ちゃん著「14才のココロ」も、最近読んだ本の中で印象に残りました。原発に対する思いなど、素直に表現することの大切さを感じます。

投稿: keiniseko | 2012年3月 6日 (火) 16時07分

keinisekoさんへ→
 コメントありがとうございます。「14才のココロ」は全く知りませんでしたが、中学生の書いた本なのに高評価を受けていますね。今度読んでみようと思います。
 ブログを拝見しましたが、アイアンマンハワイに出た人がニセコにいるなんて感激です。今後もよろしくおい願いします。

投稿: kiyatchi | 2012年3月 7日 (水) 18時01分

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